大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)217 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人青木米吉の上告理由第一点について。

本件売買残代金一八〇万円を本件山林の所有権移転登記と引換えに支払う約定で

あつたとの事実は被上告人が主張したところであり、このことは、当事者双方が原

審において第一審口頭弁論の結果を陳述するに際し援用したこと記録上明らかな第

一審判決事実摘示によつて明瞭である。そうすると、原審が判決に際し右主張事実

を斟酌したことは正当である。所論は採用できない。

同第二点について。

所論は原審の専権に属する証拠の取捨判断を非難するものであり、採用できない。

(なお、原審は証拠に基づき乙第一号証が真正に成立したことを認めている)

同第三点について。

原審が、その説示するような理由に基づき、本件当事者間において本件契約の履

行場所を岐阜地方法務局下呂出張所(ただし当事者の一方が司法書士宅を指定通知

したときは当該司法書士宅)とする暗黙の合意があつたと判断したことは十分首肯

できるものであり、右判断にはなんら違法はない。所論は採用できない。

同第四点について。

所論は原審が適法になした事実認定を非難するに帰し、採用できない。

同第五点について。

しかしながら、原判決を通覧すれば、原審が破綻状態と称したのは、本件契約の

当初から売主としての誠実義務に欠けるところがあつた上告人が、果して、履行遅

滞の挙に出たのみか、前所有者の保証書一札を入れることにより本件一反歩の山林

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の登記を移すことなく残代金全部を受取りたいなど不誠実な提案をして問題の解決

を遅らせていた状態を指す趣旨であることを看取できるのである。そうすると原審

がそのような状態のもとにおいて上告人が差し出した文書である故をもつて、乙第

五、七号証の各二を証拠として採用しなかつたことは書証排斥の理由として十分で

ある。所論は採用できない。

同第六点について。

所論は被上告人の残代金支払義務が期限の定めのないものに変つたとの独自の見

解に立ち、原審において主張しない事実を前提として原判決を非難するものであり、

採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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